インプラント手術後の痛みと注意点
インプラント手術後に起こりやすい痛みとは
インプラント手術では、手術中の痛みよりも、むしろインプラント埋入後の痛みに不安を感じる方は多いのではないでしょうか。歯肉を切開し、骨を削ってインプラントを埋め込むのですから、不安に感じるのは無理もありません。
患者様によって個人差はありますが、確かに手術後に痛みを感じる可能性はあります。ここでは、術後の痛みはどのような場合に起こるのかについて、痛みのリスクと対処法と合わせてご紹介します。
インプラント手術後に出やすい3つの痛み
手術中は局所麻酔や静脈内鎮静法によって、痛みを感じることはほとんどありませんが、麻酔が切れた後で以下のような痛みを伴うことがあります。
1.外科手術による痛み
インプラントを埋入して縫合した後、麻酔が切れてから2~3日は抜歯後のような痛みを伴うことがあります。一般的に痛み止めの薬が処方されますので、痛いと感じた場合は、医師の指示に従って服用してください。また、薬を飲んでも痛みが引かない場合は、歯科医院にその旨を相談することをおすすめします。
2.骨造成による痛み
骨量が不足している場合に骨補填剤や自家骨を移植するGBRや、上顎骨の高さが足りない部分に骨補填剤や自家骨を移植するサイナスリフトなどの骨造成では、手術後の4~5日間は痛みや腫れが起こる可能性があります。
手術後は痛み止めや抗生剤などが処方されるため、医師の指示通りの服用が必要です。また、歯科医院で傷口の消毒をしてもらって、お口の中を清潔に保ちましょう。
3.抜糸する際の痛み
インプラント手術から1週間から10日程度で、インプラント埋入後に縫合した部分の抜糸を行います。縫った糸を一か所ずつ抜き取る際に、チクチクとした痛みを感じることがあります。もし、どうしても痛みが辛い感じる場合は、表面麻酔をしてもらうとよいでしょう。。
こんな痛みはすぐに主治医に相談しましょう
ここまで、インプラントの手術後に予想される痛みについて紹介してきました。インプラント手術では、術後の痛みを抑えるために痛み止めの薬が処方されますが、以下のような痛みが続く場合は、速やかに医師に相談する必要があります。
こんな痛みは要注意!
- 痛み止めを飲んでも痛みが引かない
- 5日以上たっても痛みが続く
- 痛みがどんどんひどくなっている
- 頬のあたりがズキズキと痛み、鼻づまりや鼻から膿が出ることがある
インプラント手術後の痛みのトラブルを回避するには
一般的に痛みを伴うインプラントのトラブルの事例として、インプラントの位置が不適切な場合があげられます。インプラントを埋入する角度や深さに問題があって、神経に触れたり傷つけてしまうと、痛みやしびれが起こるのです。
特に、下顎を通る下歯槽神経と呼ばれる神経に損傷を受けた場合、顎から唇にかけて麻痺を引き起こす危険性があります。
そのようなトラブルを予防するために、当院ではインプラント手術の際、歯科用CTで撮影した画像を元に診断を行っております。3次元のCT画像で顎の骨や神経の位置を確認することで、理想的な位置へのインプラントの埋入が可能なため、安心して手術を受けていただくことができます。