ワンタフトブラシでインプラントのケアを
インプラントのケアにも使えるワンタフトブラシとは?
私たちの歯は、それぞれに様々な形や生え方をしています。そのため、歯ブラシだけではブラッシングが行き届かず、磨き残しが発生して歯垢が溜まりがちになります。
ブラッシングが難しい部分には、ワンタフトブラシを使用することで効果的に汚れを除去することができます。
ワンタフトブラシとは、歯ブラシよりも少ない毛の本数でできている小さめのブラシのことで、「ポイントブラシ」や「一歯用ブラシ」などと呼ばれることもあります。ドラッグストアなどでは、様々な種類のワンタフトブラシが販売されています。
ワンタフトブラシはインプラントのケアにおすすめです
天然歯の歯周病と同じように、毎日のオーラルケアや治療後のメンテナンスを怠っていると、インプラントの周りの粘膜にも炎症が起こってしまいます。その炎症がさらに進行し、インプラントを支えている顎骨にまで到達した状態をインプラント周囲炎といいます。
インプラントは自分の歯ではありません。抵抗力が弱いために症状が進みやすく、インプラント周囲炎になっても症状に気付きにくい傾向にあります。最悪の場合、突然インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
インプラント周囲炎の発症原因は、インプラントに付着したプラーク内に潜む細菌です。インプラント周囲炎を防ぐためには、毎日の丁寧なブラッシングでしっかりプラークを除去することが大切です。
特に念入りなケアが必要なインプラントに、ワンタフトブラシは欠かせないアイテムです。ワンタフトブラシを使用することで、インプラントと歯茎の境目の汚れをしっかりと落とし、インプラント周囲炎の発症を防ぐことができるのです。
ワンタフトブラシはこんな歯にも有効です
インプラントはもちろんのこと、奥歯や親知らずなど、タフトブラシはその他の磨きにくい部位のケアにもおすすめの清掃道具です。
奥歯
奥歯は歯ブラシの毛先が届きにくい部分です。普通の歯ブラシを奥歯に当てようとすると、歯ブラシのヘッドの部分が大きいために入りづらかったり、嘔吐反射が強い方だと気持ち悪くなってしまったりすることもあります。
ワンタフトブラシはヘッドが小さく奥歯に届きやすいので、ブラッシングが容易となります。特に、奥歯の後ろ側は磨き残しが多く、虫歯になりやすい部分です。ワンタフトブラシで集中的にブラッシングすることにより、虫歯を防ぐことができます。
なお、ブラシが奥歯に届きにくいときは、口を閉じ気味にすると磨きやすくなります。
親知らず
奥歯と同じく、親知らずは奥に生えているため、通常の歯ブラシでは磨きにくい歯です。また、生えかけの親知らずは奥歯よりも歯の高さが低く、鏡などを用いても見えづらいため、普通にブラッシングしていると歯ブラシがまったく当たらないこともあります。
親知らずの周りに磨き残しがあると、そこから感染を起こして親知らずの周りの歯茎が腫れる智歯周囲炎を引き起こす恐れがあります。
ワンタフトブラシは歯の高さが低い部分にも当てやすく、親知らずのケアにもぴったりのブラシなのです。
ブリッジ
ブリッジは橋かけのような形になっており、真ん中の歯と歯茎の間に隙間があるため、そこに汚れが溜まりやすくなっています。
ワンタフトブラシは、ブリッジと歯茎の間の小さな隙間にも毛先が入りやすいので、歯ブラシでは取れない汚れも除去することができます。
部分入れ歯
部分入れ歯には、歯に引っ掛ける金具(フック)がついています。金具そのものや金具が引っ掛かる歯の周りには磨き残しが多くなりがちですので、タフトブラシを併用して集中的に磨くのがおすすめです。
矯正中の歯
矯正中は歯に矯正器具のワイヤーが装着されます。歯とワイヤーの間の隙間を磨くのにも、ワンタフトブラシがおすすめです。
矯正中は虫歯になりやすく治療も困難ですので、タフトブラシを使って磨き残しを減らしましょう。
歯の重なった部分
歯並びが悪く、歯と歯が重なって生えている部分は、歯と歯の間にプラークや歯石が付着しやすく、虫歯が発生しやすい部分です。
普通の歯ブラシでは毛先が届きませんので、ワンタフトブラシを用いて部分的に磨くとよいでしょう。
歯の裏側
前歯の裏側部分は見えにくく、歯ブラシも入りにくい箇所です。ワンタフトブラシはヘッドが小さく、歯の裏側にも届きやすいので、歯ブラシではなかなか取れない磨き残しをかき出すことができます。
ワンタフトブラシの種類・硬さ
ワンタフトブラシには、通常の歯ブラシと同様に、柔らかめのものと硬めのものがあります。
矯正や歯並びの悪い部分に使用する場合は硬めのものが向いていますが、親知らずやインプラント部分など、歯茎にも毛先を当てる場合やデリケートな部分を磨くときは、柔らかめのものがよいでしょう。
自分に合うものがわからないという方は、歯科医院で歯肉や歯の状態を見てもらいながら相談することをおすすめします。
ワンタフトブラシの使い方
ここでは、ワンタフトブラシの使い方の流れを解説します。
1.使用前に普通の歯ブラシでブラッシングする
ワンタフトブラシを使用する前に、歯全体を普通の歯ブラシで丁寧にブラッシングし、軽く口をすすぎます。
2.鉛筆を持つように持つ
ワンタフトブラシを使用する際はペングリップで、鉛筆を持つように持ちましょう。軽い力でも操作性が良くなり、当てたい歯に対して的確にブラシの毛先を当てることができます。
3.磨きたいところに当たっているか確認し、1本ずつ磨く
ワンタフトブラシの毛先がしっかり当たっているか、鏡を見ながら確認しながら磨いていきましょう。歯と歯の間や歯と歯茎の境目に当て、大きく動かすのではなく、歯を1本ずつ磨くイメージで細かく動かしてください。
4.毛先が開いてきたら交換する
交換時期は使用頻度によっても異なりますが、普通の歯ブラシと同様、毛先が開いてきたらタフトブラシを交換しましょう。
妊娠中の女性や小さな子供にもおすすめです
つわりの重い妊婦さんは、歯ブラシを口に入れるだけでも気持ちが悪くなってしまうこともあるでしょう。ワンタフトブラシは、小さいヘッドで歯にのみしっかり当てることができます。つわり中のブラッシングが辛いときは、ワンタフトの使用がおすすめです。
また、子供の歯の生え変わりの時期にワンタフトブラシを使用するのも効果的です。生え変わり中の歯は高さが低く、普通の歯ブラシでは磨きにくいので虫歯になりがちですので、ワンタフトブラシでポイント磨きをして虫歯を予防しましょう。
皆さんも、様々な場面で活躍するワンタフトブラシを毎日のオーラルケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。