インプラント基礎知識 その1/「噛む」ことが誤嚥性肺炎の予防になる
高齢者の死因に多い「肺炎」
1970年と2013年を比べると、日本人の平均寿命は男女とも10年以上延びています。この40年間に増えている死因が肺炎です。肺炎は2012年の国内の死因第3位。75歳以上で高齢者施設に限定すれば、直接死因の1位、85歳以上なら全てのくくりの中で1位となっています。
誤嚥性肺炎とは?
ところで、誤嚥性(ごえんせい)肺炎をご存知ですか?食べ物や飲み物が食道ではなく気管に入ってしまうこと(誤嚥)が原因で起こる肺炎です。
若い人であれば誤嚥しても咳き込むことで気管から排出する機能が働きますが、年をとると反射機能が衰えるため、吐き出せずに気管に残った食べ物で細菌が繁殖し、炎症を起こして危険な状態になってしまいます。
誤嚥性肺炎と歯の役割
誤嚥を防ぐためには、意外に思われますが「歯」が大きな役割を果たします。
物をスムーズに飲みこむには、舌骨を固定することが必要なのですが、この舌骨を固定する舌骨筋は「正しく噛む」ことによって鍛えられます。
「噛む力」と「飲み込む力」を維持することで、誤嚥性肺炎は予防できます。インプラントは、歯を失った場合に噛む力を得る選択肢のひとつなのです。