インプラント治療の欠点

インプラント治療で知っておくべき6つの欠点

どんな歯科治療にもメリットがあればデメリットがあるように、インプラント治療にも当然、利点と欠点があります。ブリッジや入れ歯などの従来の歯科治療にはない、インプラントの最大の長所といえば、自分の歯で噛んでいるような「自然な噛み心地」ですが、それを得るためにはリスクを伴うことは事実です。

しかし、インプラント治療の欠点は、決して解決できないものばかりではありません。日頃の心がけや対応次第では、トラブルを未然に防ぐことができるのです。インプラントの治療を失敗に終わらせないためにも、正しい知識を身に付けて確実に対処しましょう。

1.細菌感染に弱い

天然歯の歯肉、歯槽骨、歯根膜の関係図

インプラントと歯肉、歯槽骨の関係図

天然歯には、歯根部分でクッションの役目をしている「歯根膜」がありますが、骨に直接埋め込まれているインプラントにはありません。この歯根膜があることで、歯肉への血液の供給が天然歯では3方向なのに対して、インプラントは2方向と少ないため、感染への防御反応が弱く、細菌に感染しやすいのです。

また、歯に対して、歯肉や歯根膜の線維が垂直に付着している天然歯とは異なり、歯肉の線維が垂直に並んでいるインプラントは強い結合が得られないため、歯肉で炎症が起こるとインプラントが不安定になることがあります。そのため、インプラント埋入後に細菌感染を防ぐためには、歯磨きなどにより周囲を清潔に保つ必要があるのです。

2.骨量が足りないと埋め込むことができない

前歯部分にインプラントが埋入されているレントゲン写真

現在、一般的に使われているインプラントの大きさは、直径が3~5mm、長さが6~18mmあります。このサイズのネジを骨に埋め込もうとすると、それ以上の幅や高さ(厚み)がなければ、骨からインプラントがはみ出てしまうのです。また、骨の幅や高さが十分でも、骨密度が足りない場合もあります。

骨量不足でインプラント手術が受けられない場合、骨造成や骨移植を行うことでインプラント埋入に必要な骨の量を確保することができます。ただし、そのためには、さらに治療するための時間と費用が必要になることから、患者様の負担が大きくなってしまいます。

3.保険適用外のため費用がかかる

虫歯や歯周病のような、悪化することによって食べ物を噛むことができない症状がある場合は、健康保険が適用されるため一部自己負担で治療が受けられます。それに対して、インプラントは見た目の美しさや噛む機能を高めるために治療のため、保険が適用されず全額負担になってしまうのです。

ただし、生まれつき顎の骨の欠損がある場合や、病気や事故によって欠損してしまった場合は、保険適用となります。また、10万円以上の高額の治療費を支払った場合は、確定申告することで医療費控除を受けることができるため、必ずしも全額負担になるという訳ではありません。

インプラントの保険適用についての詳細は「インプラント保険」をお読みください。

4.特定の疾患があると治療を受けられない

血糖値が高い状態が続くと、抵抗力や免疫力が低下します。そのため、歯周病リスクが高くなるほか、インプラントと骨の結合が阻害されることから、糖尿病の方のインプラント治療が難しいのです。また、骨粗しょう症によって極端に骨密度が低下している方、ビスホスホネート製剤を服用している方も治療を受けられません。

それ以外にも、歯周病や貧血、高血圧症もインプラント治療のリスクが高いといえます。そのため、このようなインプラント治療が難しい疾患をお持ちの場合は、かかりつけの医師と十分に相談し、治療によって症状を改善することで、インプラント治療が受けられこともあります。

歯周病による影響についての詳細は「インプラントと歯周病の関係」をお読みください。

5.手術後に定期メンテナンスが必要

インプラントが歯周病菌に感染する「インプラント周囲炎」が悪化すると、周囲の骨が破壊されてインプラントが抜け落ちる恐れがあります。また、噛み合わせがあっていないと、インプラントに無理な力が加わってしまい、骨としっかり結合できずに脱落や動揺などのトラブルを引き起こしてしまいます。

さらに、手術後に不具合が生じた場合、部品の無料交換や治療費の負担などが保証される「インプラント保証制度」では、インプラントの定期メンテナンスが絶対条件となっています。インプラントの寿命は10年以上といわれていますが、トラブルなく使い続けるためには定期的なメンテナンスが不可欠なのです。

インプラントのメンテナンスについての詳細は「インプラントのメンテナンス」をお読みください。

6.治療期間が長い

インプラントの、最も大きな欠点の1つといえるのが治療期間の長さです。ブリッジなら早くて1~2週間程度で治療が完了します。それに対してインプラントの場合、インプラントの埋め込みと人工歯の取り付けを分けて行う「二回法」では、1回目から2回目の手術までの間は3~6ヶ月ほど空ける必要があります。

さらに、インプラントを埋入する部分の骨量が足りない場合、インプラント手術の前に骨造成の治療が必要です。骨の状態や治療内容によって治療期間が大きく異なるため、インプラントの埋入と合わせると1年以上かかることもあります。費用も当初の見積もりよりも高くなることから、歯科医師としっかりと相談した上で治療を進めましょう。