インプラントの寿命インプラント周囲炎など短命を招く要素

インプラントの寿命を短くする要素と、それぞれの予防方法を紹介します

治療イメージ

インプラントの寿命を短くする要素

  • インプラント周囲炎
  • タバコ
  • 歯ぎしり
  • 糖尿病

インプラントの寿命が長いものになるか短いものになるかは、患者様次第と言って過言ではありません。治療が成功しても、患者様の治療後の過ごし方(生活習慣)に問題があったり、持病の治療を怠ったりすれば、インプラントの寿命は短いものになってしまいますから、効果的な方法でしっかり予防しましょう。

インプラント周囲炎は、プラークコントロールで防ぐ

インプラント周囲炎とは?

  • 天然歯の歯周病と、原因や症状を同じくする病気
  • プラークコントロールを怠ることで発症・悪化する
  • インプラントのグラつきや脱落を招く
  • 天然歯の歯周病より悪化スピードが速い
予防方法

天然歯以上に、念入りにプラークコントロールを行う

インプラント周囲炎は、天然歯がかかる歯周病と、原因や症状を同じくする病気です。
歯周病菌が、歯肉や歯槽骨などインプラントの安定性を支える歯周組織を破壊するため、ブラッシング時に痛みや出血の症状が起きたり、インプラントのグラつきや脱落を招いたりします。

インプラント周囲炎は、歯周病と同じく、プラークコントロールを怠ることで発症や悪化を招きます。
ただし、インプラントは天然歯のように細菌侵入を防ぐ歯根膜がないため、天然歯がかかる歯周病より悪化が早いので、天然歯以上に念入りなプラークコントロールが必要です。

インプラント手術後、1~2週間はタバコを控える

タバコを吸うとどうなる?

  • タバコのニコチンが、血流を悪くする
  • 手術の傷が塞がりにくくなる
  • インプラントと骨の結合がうまくいかなくなる
  • 歯周組織が弱り、インプラントの安定性が損なわれる
  • インプラント周囲炎にかかりやすくなる
予防方法

インプラント手術後、1~2週間はタバコを止める
※禁煙期間が過ぎても、タバコを控えるのが望ましいです。

インプラントの手術を受けたら、1~2週間はタバコを吸うのを止めていただかなければなりません。
タバコに含まれるニコチンが、血管を収縮させ血の流れが滞ってしまうからです。

血流が滞ると、手術の傷が塞がりにくくなる、インプラントと骨の結合がうまくいかなくなる、歯周組織に酸素や栄養が届かなくなりインプラントの安定性が損なわれる、唾液量が減って殺菌力が落ちインプラント周囲炎にかかりやすくなるなど、さまざまなトラブルの発生リスクが高まります。

インプラントの寿命を長くしたいのなら禁煙する事が一番ではないでしょうか?

睡眠中の歯ぎしりは、マウスピースで防ぐ

睡眠中に歯ぎしりするとどうなる?

治療イメージ
  • インプラントに過度の負担がかかる
  • インプラントの上部構造に、ヒビや破損が生じる
予防方法

就寝前に、歯にマウスピースをはめる

睡眠中に歯ぎしりすると、インプラントに過度の負担がかかり、インプラントの上部構造である被せ物にヒビが入ったり、最悪破損してしまったりします。

睡眠中の歯ぎしりは自覚して止めることができませんから、就寝前に歯にマウスピースをはめるなどして、インプラントを守ってください。

糖尿病は、インスリン注射で骨がもろくなるのを防ぐ

糖尿病でインスリンが不足していると?

治療イメージ
  • インプラントを支える歯槽骨や顎骨がもろくなる
  • インプラントのグラつきや脱落が生じる
予防方法

インスリン注射など、糖尿病治療をきちんと受ける

糖尿病でインスリン分泌が不足していると、インプラントの寿命が短くなってしまいます。
インスリンは、細胞のエネルギー源であるぶどう糖を、骨を産生する骨芽細胞に送る重要な物質だからです。

インスリン不足は、インプラントを支える歯槽骨や顎骨をもろくし、インプラントのグラつきや脱落を生じさせてしまいます。

糖尿病がありインプラントを埋入された方は、インプラント短命のリスクが高いと言えます。
ですからインスリン注射など、主治医の指示に従って糖尿病治療をきちんと受けるようにしてください。